#3-6「色と心理と私」白さんのお話し

色と心理と私、ラブ、色彩心理、色、ポジティブ、ブログ連載

魅力を引出すカラーコンサルタント の 岡村 知美 です。

6月6日からほぼ毎日書き綴ってきたブログ連載「色と心理と私」[全21回]も、今回と次回の2回を残すのみとなりました。
なんとなく、でも強く、「書こう!」と決め、昨日までに6万文字綴ってきました。(※追伸覧を除いています)

 

一気にこれだけ書けるのだから本も書けそうだな!と思うところですが、実はすでに出版のお話をいただいており、本当に書き進めていました。2年前の事です。
構想もまとまっており、書く内容もほとんど決まり、1章も書き終えていました。
1章を担当さんにお見せしたら「この路線でいきましょう!」と作業を進めていたのですが、2章を書いている途中で書けなくなってしまいました。
ショックな出来事と遭遇したからです。

 

ショックでとても哀しい出来事なのですが、『誰にでも起こりえることでは?』と思うので、そのお話しをどうしてもあなたに聞いていただきたくて、今回綴ることにしました。

 

(※プライバシーの関係上、すべてのストーリーは、仮名・仮称で表示しています。


 

 

◀ #3-5「スキルいっぱいのオレンジさん」


#3-6 白さんのお話し

 

 

◆ 白さんのこと

 

白さんは私のお友達。
2つ年下の女性です。
彼女が18歳、私が20歳の時に出会いました。
短大卒業後に入社した会社の同期です。

 

私たち同期は入社前から仲が良く
入社後は毎日毎日毎日会社帰りに遊びに出かけ。
誰かの誕生日には盛況なパーティを開き。
夏にはバーベキューや川遊び。
秋には河原でおでんと熱燗。
海外に転勤する同僚や先輩後輩が多かったので
その度に送別会だ、一時帰国だと飲み会を開き
学生時代再びのような、第二の青春を一緒に楽しんでいました。

 

私にとって同期は、家族のような存在で
どんなに長時間いっしょにいても疲れない
どんなにだらしない姿もさらけ出せる
嫌なことを言う人は一人もいない
楽ちんな存在。

 

男の子の家に泊まることも
女の子の家で所狭しと雑魚寝することも
みんなでタクシー通勤することも日常茶飯事で
とにかく気の合う仲間たちでした。

 

 

 

◆ 2年前の5月のこと

 

2年前の5月末
「GWに白さんが倒れたらしい。お母さんから周りまわって“お見舞いに来てほしい”と言われている。」
と同期の一人から連絡が入りました。

 

彼女がうつ病を患っていたことは初期の段階に本人から聞いていました。
5年程前に「離婚したから年賀状を実家に送ってほしい」というメールが届いたので
これはいよいよ鬱が進行して離婚に至ったのだなと思っていました。

 

白さんのお母さんが「お見舞いに来てほしい」と言うということは
相当病状が悪く余命いくばくもないのかもしれない!と
東京や富山からも同期が集まり
15年以上会っていなかった同期も来てくれ
みんなで覚悟を持ってお見舞いに行きました。

 

私は、子どもの頃から一緒に暮らしていた祖母が脳梗塞で倒れた経験もあったので
脳梗塞のような意思の疎通ができないことを想定して、動揺しないようにと病院に向いました。

 

 

 

実は私、病院がニガテなのです。
きっかけは脳梗塞で倒れた祖母が一年間病院に入院していたことだろうなと思います。
当時19歳の短大生であった私は母と交代で病院に寝泊まりし祖母のお世話をしていました。
1週間の半分を病院で過ごし、半分は家で家事をし、そして学校や遊びに出かけていました。
といっても昼間は学校があるので、その間は母や親せきの叔母さんたちが付き添ってくれ
夕方から朝まで病院で過ごす感じでした。それも週の半分だけ。

白さんと出会った会社の入社試験も、前日から病院に泊り、病院でリクルートスーツに着替え
看護師さんたちに「いってらっしゃい」と送り出してもらって受けに行きました。

あの頃はあの生活が普通であったのでなんとも思っていなかったのですが
祖母が退院して自宅療養になった後、病院にいくことがニガテになっていたのです。
あまりに消毒液の臭いなどがきつい病院などは貧血を起こすほどに・・・。
(弱虫なんです。実は。でもそれも年齢と共に知らぬ間に克服していそうですが。笑)

 

 

 

話しがずいぶんそれてしまいました・・・

 

ニガテな病院。
私より年若い友人。
鬱病。
お母さんから「お見舞いに(会いに)来てほしい」と連絡。

 

注射の時、針先を見れないアカンタレな私にとって
この上ない緊張と不安な気持ちを抱え病院に向いました。
だけど私ひとりではなく、大好きな友人達と一緒なのが唯一の救いでした。
その車中はとても明るく賑やかでした。

 

 

 

しかし、病院に付き、ベッドで寝ている友人は想定を超えた状態でした。
私たちは誰一人として言葉を出すことができませんでした。

 

その場の空気に少し慣れた頃、白さんのお母さんにお話を聞くと
肺の血管が詰まり心肺停止になったとのこと。
救急隊員が処置してくれ30分後に蘇生したと。

 

白さんは30分間心肺停止であったことにより脳の大半が壊死し
脳性麻痺の状態になったのです。

 

後で先輩が教えてくれたのですが、うつ病の薬の副作用として
肺の血管が詰まりやすくなるのだということでした。

 

 

 

以前見た自主制作映画で、生まれつき脳性麻痺の人も、
後天的に脳性麻痺になった人も、
奇声を発し、意思の疎通はできないように見えるけれど、
目の前で顔を近づけて大きな声で話すと
私たちからは伝わっていないように見えても、きちんと届いているのだということを思い出し
気持ちを奮い立たせ、顔を近づけて一生懸命話しかけてみました。

 

だけど一定のリズムで不自然に反応を繰り返し、目も虚ろな彼女に向けての声かけは
なかなか言葉を続けることができず・・・。
他のみんなの笑いを起こすようなことを言ってごまかしたりしました。

 

それをきっかけに皆も緊張が少し和らぎ
それぞれに少しずつだけど白さんに声をかけることが出来るようになりました。

 

 

 

◆ 冷静な部分の私が思ったこと

 

白さんを目の前にして動揺する私のほかに、冷静な部分の私もいて
その冷静な部分の私は思ったのです。

 

誤解を恐れず勇気をもってお伝えします。

「これもまた白さんが選んだ人生なのだな・・・」と。

 

間違っても、白さんが自分で望んでそうなったということではありません。
後天的に脳性麻痺になることを望む人はいないと思います。
決して冷たい気持ちで言っているわけではありません。

 

その時私が思ったのはそういうことではなく、人生は決断の連続だということです。
「チャレンジしてみる」
「これが欲しい」
「今はいらない」
「あれは明日食べることにしよう」
「この靴下をはこう」
「右に行こう」
「寝よう」
「休もう」
「歯を磨こう」
大きなことから小さなことまで、私たちは日々決断とも思わず決断をして暮らしています。
その小さな決断を積み重ねた結果が、思ってもいなかった道に繋がっており
望んではいないけれど、小さな決断の結果、今の状態にたどり着いたのかもしれないなと思ったということなのです。

 

冷静にそう思う私にとっても、切な過ぎました。哀しすぎました。

 

不慮の事故でもなく、先天的でもなく、突発性でもなく、不治の病でもない
そう思うと、本当に哀しすぎました・・・・・・。

 

 

お見舞いから1ヶ月間、見事に私のメンタルは落ちました。
復活できないほどに落ち込みました。
一緒にお見舞いに行った友人たちも同じような感じでした。

 

 

その時書いていた本の 章タイトルが「オレンジ」でした。
オレンジの意味にある「楽しい」と「ストレス」という相反する言葉を選び
その中でもストレスの多い現代社会ということで
特に「ストレス」にスポットを当てて文章を書いていたので
余計に文章が書けなくなり頓挫してしまったのでした・・・。

 

でも、それも2年前のことなので
このブログを機に、また本の執筆に取り掛かろうと思っています。
ちょうど一月ほど前、担当さんから連絡いただいたことですしね。苦笑

 

 

 

◆ 最後に

 

なぜ今回、私がブログの終盤に、この哀しいお話を敢えて書いたのかというと
それはあなたに伝えたいことがあるからです。

 

人間は強くもあり、弱くもある生き物です。
それは人間には「こころ」があるからだと思います。
「こころ」がなければもう少し単純であったのでは?と思います。

 

うつ病は誰でもなる可能性のある病だと思います。
まじめで、責任感が強く、人あたりもよく、周囲の評価も高い人。
ストレスが大きい環境にある人。
あなたのことですよ。

無理をしすぎていませんか?
がんばりすぎていませんか?
気分転換できてますか?

眠れていますか?
食欲ありますか?

 

人間は強くもあり、弱くもある生き物だということを
忘れないでくださいね。
がんばりすぎないでくださいね。

 

しんどくなりすぎる前に、話しに来てくださいね。
話すことで頭の中の交通整理のお手伝いができると思いますから。

 

 

 

そしてもうひとつ、あなたに伝えたいことがあります。

 

起業ブームや女性活躍の追い風を受け、世の中に(自称)セラピストが増えました。
もちろん私もその一人です。

 

そんなあなたに物申したいわけではありません(笑)
構えずに読んでくださいね(笑)

 

 

私が自らを「セラピストとして名乗ることに抵抗を示していたころ」#1-2
尊敬する友人にこぼしたことがあります。

「なんちゃってセラピストが世の中に増え、はからずも私もその一人として
身を置いていることに困惑しています。」と

 

その友人はこう言ってくれました。

たしかにあなたの言うように、どうなのかな?思う人もいるかもしれない。
だけど、世の中にこころの病の人が多くなっているから、
(世の中的に)正式なものではなかったとしても
気軽に相談に行けるところが増えるのは良いことだと思うの。

ほら、”カウンセリングが気軽な存在である” アメリカとは違って
日本てまだまだ “カウンセリングを受ける” ってハードルが高いから!

そういう意味で、ハードル低く気軽に行ける場所が増えるのはいいことじゃないかなと思うのよね。」と

なるほどでした!とっても心が軽くなり、それから少しずつ自らをセラピストと名乗ることに抵抗が少なくなっていきました。
なので、本当にそんなあなたに物申したいわけではないのです。(あ、しつこいですかね?笑)

 

 

では、あなたに何を伝えたいのかというと

 

私たちは勘違いをしてはいけないと思うのです。
少し注意が必要だと思うのです。

そもそもセラピー(Therapy)とは「治療・療法」です。セラピストとは「治療者・療法家」のことです。
私たちは治療者ではないということをわきまえておく必要があるのではないかなと思うのです。

 

 

私も心理学を学ぶ上で知ったことですが、心理療法家や臨床心理士、セラピストは
療法家としての「基本姿勢」を学び、「訓練」を受け、そして、療法家として歩みだした後も
「スーパーバイザー」というカウンセラーや心理療法家の中でより知識や技能の熟達した上級者から
「スーパービジョン」という自ら抱えるクライアントの事例に関して助言や指導を受けたり、
自身のメンタルヘルス向上のためのケアなどを行われています。

 

 

そして訓練されたセラピストが見立ての一部として行うアートセラピーなどは
必ず複数の心理検査と組み合わせて実施されていますし、また医者や医療機関と連携をはかられています。

 

そしてセラピストさんのお話を聞いていて、確かに!と思ったのが

「心理療法家として在る私たちは、人が抱える困難な状況に出会った時
ついつい心の問題ではないかと思ってしまいがちである。
だけど、心の問題を疑うよりも前にすべきことがあり、
それは、医学的問題が潜んでいないかということを先に疑うべきである。
医学的に診断が下されない場合、はじめて心の問題を考えるのである。」

ということ。

 

私はもう自分のことをなんちゃってとは思ってはいませんが、
だけど実際私たちは臨床家でもなければ、もちろん精神科医でもない

セラピストだけでなくどんな立場の人もそうであるとは思いますが
勘違いをしてはいけないと思うのです。謙虚さを忘れてはいけないと思うのです。

 

この文章は「あなた」という「わたし」に向けて書いていますが
もし私と同じような立場の人が読んでくださっていたとしたら
伝わるものがあれば嬉しいです。

 

 

 

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そう思っています。

 

 

!!! アテンションプリーズ !!!

 

このブログを読み終えてくださった皆さま。

つづいて、【 番外編 】 をご覧くださいませ!!

 

白さんのお話しは、ちょっと哀しいお話しなので

気持ち切り替えてくださいませ!!

 

番外編は   コチラ   から

 

 

ーーーーーーーーー  < Next stage of color >  ーーーーーーーーー

「誰かの」でもなく「私の」でもなく
【普遍的】【誰でも】【公益】としての【色】を提唱していきたい
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

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白さんのお話しはおしまいです。
白さんのお話しは、ちょっと哀しいお話しなので、このすぐ後に【番外編】の方もぜひご覧ください。

明日は最終話、ブルーさんのお話しになります ❤ See you!


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